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2006-01-23

第17回「雪」

今年初めての東京の雪。
去年から今年にかけては例年まれに見る大雪に見舞われ、各地に、中でも東北地方に悲痛な程の被害をもたらした。なのにどうしてか、今年も窓を開けて降り積もる雪を見たとたん、何故か心が弾んでしまった。これはやはり、今までの人生が雪と‘無縁’だったところにあるのだろう。雪といえば歌や映画の表現の素材としては恰好のアイテムである。その多くはクライマックス的場面に用いられ、感情を煽ってくれる。つまり雪の現実(もしくは016 恐さか…)を知らない僕にとっては、‘雪=ロマンティックなもの’の観念がどこかに根付いているのである。だから見慣れない雪が、東京の景色を変えてゆく瞬間がワクワクしてたまらない。しかし、その胸の高鳴りに負けて表に出てみれば、覚束ない不慣れな脚さばきが、僕を雪の素人だと教えてくれる。窓越しの雪景色。それは、雪への‘憧れ’を一番綺麗に感じることの出来る距離だ。

 
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