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2005-11-06
第15回「朝」
先日、ロケの帰りにレインボーブリッジを通ることがあった。明け方6時頃のことである。この時間にここを通ることは僕にとってはめずらしく、朝陽色の東京をこのアングルから見たのも初めてだった。朝景と夕景というものは、写真にしてしまえば、色合いこそよく似たものとして写るが、実際に現場に立つと根本的に違う気配を放っている。おそらくそれは‘人の気’の有無だろう。人工的かつ機械的に構築された街だからこそ、それをしみじみ感じる。しかし朝というのはなんだかいいものだ。晴れていればなおさらである。この日の様な仕事帰りの疲れた頭にも、朝の光は優しく、刺激的で今日一日の好奇心をも煽ってくれている。昼夜が逆転しがちな生活の中で、またひとつ忘れてはいけないひとときに気付くことができた。