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2005-10-15
第14回「融合と調和」
新しいものと旧いものが交わる時、それを「融合」と呼ぶか「調和」と呼ぶかで大きく印象が違ってくる。その違いを僕なりに表現するならば、「融合」というのはどこか無理矢理な力、つまり不可抗力的な圧力の元に成立させた状態であり、動かされるもの同士の意志は無視されている。それに対し「調和」とは外野の力で押しつけることなく、各々の譲り合いをもって、馴染ませる。これが難しい。東京でも至る所に融合はあるが、調和は少ない。都市開発がビジネスである以上、そこに調和などと生温い観念を求めることが元来無理なことなのであろうが、ならばせめてもう少しものの‘つぶしかた’にもセンスを追求して頂きたいものだ、と僕は思う。