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2007-05-28

第27回 「僕の作業場」

誰にでも‘行きつけの店’といったものが一つや二つはあるものだろが、僕の場合酒をあまり好まない性分故、専ら喫茶店をその場所としている。長いときは平気で四、五時間入り浸っていることもある。逆を言えば、ものの十五分程度の余裕ではわざわざ入ろうとも思わないのだ。目的は読書か書き物をしたいと決めた時で、どこか自分に強制を命じる意味を込めて喫茶店に入る。人によっては自宅の方が静かだし集中できるという人もいるだろうが、周りに余計なもの(移り気を誘うもの)がないということは僕にとって何よりの集中力を産むものなのだ。
日本に喫茶店が一番多く存在していた時代は昭和三十年代がピークだと言われている。減少の理由は各々の自宅環境が喫茶店の備え持つ居住性を時代とともに上回ったということだろう。かの大作詞家の先生もかつては「喫茶店に居ればコーヒー一杯でクラシックが聴き放題だった」ということを理由に仕事の大半を喫茶店で熟していたという。それなら確かに喫茶店でないとダメな理由も解るが、この便利にも磨きがかかった時代にあえて喫茶店に出向いて仕事もどきをしようという僕は、相当なアンチテーゼかもしれない。しかしこれは個人の妙な懐古主義や独自の美学などといった重苦しい考えによるものではなく、これが普通だと実感しているからである。
この様な‘細かい普通’を積み上げで非凡な人生を狙う。今後も持ち続けていたいテーマだ。

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2007-05-09

第26回「夕焼け」

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夕焼けを見ると落ち着く。近頃の季節感のない雨続きに気分はもやもやと燻っていた。誰が示したわけでもないが夕焼けにはどこか懐かしさの象徴のようなところがある。これは心が一呼吸置く時、過去を振り返る癖を持つ人間の性分のせいだろうか。

では何故過去が夕焼けなのか、、、

幼い頃を思い出してみる。子供の目線の行きどころというのは概ね極端なもので、一つは動くもの。そしてもう一つが大きなものだ。単純な解釈でもって目にしたとしても確実なセンセーションを感じるのが巨大物。子供にとってそれが魅力なのだろう。しかし大人になったからといって、急にその感覚を失うというわけではない。要は気持ちの問題で、感心するという動作を知らず知らずの内に省略して生きるように変化しているのだ。個人差はあるだろうがこの傾向は絶対である。絶対だからこそ忘れてしまっては勿体ない。

時には意識して感心してみるという行為が人生を楽しいものにしてくれる。

…と僕は信じたい。

 
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